top of page

更新日:2021年10月9日

ここ数日、とある友人から、かなり面白い内容の質問責めにあっておりました。


その中の、主な議題のひとつは、

『アコーディオンはボタン式と鍵盤式で音色が違うのか?』

というものでした。


出ました、永遠の【ボタンvs鍵盤】論争。

この際だからと思い、自分なりの考えをまとめてみました。

ただし今回は『音色』だけに限って、あくまでも自分なりの考えですので、異論も多々あるかと思いますが、どうかお許しを。



結論から言いますと、上記の質問には、

『ボタン式でも鍵盤式でも中身が同じなら音色は同じ』

また別の言い方で

『音色そのものの違いは楽器の中身の違いであって、ボタン式か鍵盤式かの違いが音色を決定する事はない』

という回答をしました。


早速、異論反論が出てきそうですが、しかし今のところ自分としてはそう思わざるを得ません。

質問の主にも、これを理解して頂くまでには少々時間を要しました。



外見からしてボタンと鍵盤の違いは一目瞭然ですし、そこに目が奪われてしまうのも仕方がありません。

しかも、いくつかの機種の"内部"を見て比べる、という様な機会もなかなか無いでしょうから、尚更無理もありません。


ギターやヴァイオリンやトランペットなど、他の多くの楽器は、発音部分や共鳴する部分が目に見える外側にあるワケで、そこに大きな違いがあれば自ずと音色にも影響するはずです。

しかし、ことアコーディオンに限って言えば、発音部分のほぼ全てが楽器の内側に収まっている為、その違いについて外から見ただけで判断するのはなかなか難しいと思います。




例えばココに、ボタン式と鍵盤式の楽器があって、どちらも本体のサイズと構造と内部の仕様が"完全に"同じだったとします。

そしたら、果たして音色そのものの違いはあるでしょうか?



恐らくそれは、ほぼ無いと思います。

勿論、何をどの様に演奏するかによって、ボタン式/鍵盤式それぞれの演奏上の特性は出るかも知れないけれども、それは演奏者によるフレーズや音楽の違いであって、『音色』そのものには違いがないはずです。




アコーディオンの内部には、音色を決定付けるいくつもの要素がありますが、その中でも重要な要素は下記の6つではないかと思います。

●リードそのもの(スチール(鉄)/真鍮/ハンドメイドか否かも含む)

●リードプレートの留め方(蝋留め/鋲留め/又はその両方)

●リードボックスの数と組み合わせ(HMML/MMML/など)

●MMもしくはMMMのチューニング(波/ピッチのズレ)の具合

●チャンバーの有無

●サブタ皮/レザーバルブ(材質など)


その他にも、各パーツの素材や、各パーツの組み上げ方、使われている木材の材質や処理の仕方(ニスの塗り方など)、楽器そのもののカタチやサイズなど。

数多くのパーツで作られている事と、楽器そのものの種類も多岐に渡るため、音色を特徴づけるものを他にも細かく数え出したらキリがありません。


例えば、チャンバーの機構が付いた楽器は、それが付いていない楽器と比べると、より柔らかでまろやかな音色になります。

また、リードプレートが《鋲留め》だった場合、《蝋留め》のものと比べると、より金属的でシャープな音色になります。



楽器そのもののサイズや構造の違いから生まれる、微妙な音色の違いが少しはあるかも知れません。

ですが、もしも、中身は全く同じで、ボタン式と鍵盤式による音色の違いがあるとしたら、一体どの様な違いがあるのでしょうか……。


何にせよ、ボタン式か鍵盤式かという部分は、音色そのものを大きく左右する要素ではない、と思わざるを得ません。





例えば、鰻(うなぎ)が《重箱》に入っているか、《丼》に入っているか、で味に違いがあるでしょうか?

味の違いは、鰻の焼き方やタレやゴハンによって決まるワケで、器の違い(確かに大事な要素ではありますが)が味そのものに大きく影響があるとは思えません。



見た目に大きく違いのある、ボタン式か鍵盤式かという点から、音色の違いに言及したくなる気持ちは分からないでもありません。

ですがソレは、あくまでも重箱か丼かって言うトコロだと思うのです。




☆この記事は、あくまでもボタン式と鍵盤式の『音色』についての考察で、それぞれの特性や操作性を言及するものではありませんし、どちらかを推奨する様な内容でもありません。

☆またこれは、アコーディオンの右手側の音色にのみに焦点を当てたもので、左手側のボタン部分について言及したものではありません。

☆見た目に惑わされない為に、敢えて写真などは使わない様にしました。



--

…と、こんなコト書いておきながらナンなんですが、コレは色々と質問を受けて良い機会だからと思って考えをまとめてみただけで、自分にとって本当はそんなのどうでも良いコトなんです。

ボタンだろうと鍵盤だろうと大事なのはそれでどんな音を出すか、だと思うのです。


鉛筆で書こうと万年筆で書こうとより重要なのはそれで何を書くか何を書きたいかだし、道具も大事だけどそれを使って表現しているものを楽しみたいワケで、表現する為にその道具をとことん使いこなせる様になりたいし、音楽そのものについてもっと深めていきたいワケです。

(加筆 2019/07/04)

閲覧数:2,753回0件のコメント

■6月の近況報告(2019年6月末日付)


▼某お寺さんでの演奏。


▼Vo:矢幅くん+Ds:福森くん+佐藤、南青山@ジマジン。やっぱり楽しく。みんな末っ子だったり。


▼新企画【15minutes session】、四谷三丁目@ホメリ。砂時計が想定外に使えなかったコト以外、なかなか上手くいったかと。参加枠、観客枠、どちらの皆さんにも喜んで頂けた様で何より。同店宮内さんに感謝。


▼バンスリ:ラケーシュ・チョウラシアを聴きに浜離宮へ。すべてが世界のクオリティ、ホント素晴らしいかった。ほぼ個人レベルでの招聘は大変だったと思われる。ナマで観られた事に感謝。


▼J.S.Bach「フーガの技法」ヘンレ版購入。しかしホントその技法の凄いコト。


▼Bandoneon:早川くん&タカトキくん、6年ぶりに集まって3人でのリハ。思い出し練習とは言え全然弾けなくて焦りまくり。


▼↑終了後、アシスタントK君と、ジャニーズ某グループの録りでスタジオへ。ダビング作業1曲、実働20分。PC譜面を卒業しパート譜も全て手書きのアレンジャー佐々木さん素晴らし!


▼時代劇の劇伴でスタジオへ。アシスタントK君と。


▼朝から『残響SWIFT』リハ。二日酔い組み頑張りましたね。


▼↑終了後、梶浦さんのリハ。皆さまお久しぶりでした。


▼前から気になっていた楽器左ベルトからのギシギシ音、アルミテープとワセリンという意外なアイテム施して問題解決。アドバイス下さったBellows works Tokyo 原田さんに感謝。


▼梶浦さんのリハ再び。


▼梶浦さんの本番2days舞浜@アンフィシアター。皆さん素晴らしい仕事っぷりでとても楽しく。しかし練り歩きは得意では無いですぞ。


梶浦さんバンドの華Fl:りえさんと、鳥肌○またはMIY○VI。


▼Bandoneon:早川くんタカトキくんと2回目のリハ。それぞれの仕込みバッチリで一安心。


▼↑終了後、『バンドネオン友の会』四谷三丁目@ホメリへ呑みに。バンドネオン漬けの1日。


▼お久しぶりのFl:MIYAさんとデュオの仕込み。


▼Bandoneon:早川くんタカトキくんと神楽坂@u-ma。満員御礼。しっかり仕込んだ甲斐あって大変楽しく。


▼「三密」(Pf:志宏くん+Per:なべちゃん+佐藤)小岩@コチ。そりゃもう大変楽しく。


▼「Salle Gaveau」(G:鬼怒さん+Pf:林くん+B:鳥越くん+佐藤)雑司ヶ谷@エルチョクロ。いやぁ流石。


▼折れたリードの修理で某所へ。匠の仕事。


▼↑終了後、Fl:MIYAさんとデュオ、新宿@ピットイン。宇宙!


▼映画?「かぐや姫は告らせたい」劇伴。書きは遠藤さん。Jupiterのアコーディオンをお持ちとは。


▼↑終了後、「残響SWIFT」(Vln:壷井さん+Pf:志宏くん+G:ファルコン+Per:なべちゃん+佐藤)高円寺@ジロキチ。皆さん流石のプレイとアンサンブル。


▼クリニック個人診療。あっという間の60分。


▼この数日、とある方面からアコーディオンについての、メールやら何やらで内容多岐に渡る質問メッセージ多数。夜な夜なチャット状態になったりして、やたら楽しい。





閲覧数:107回0件のコメント

■5月の近況報告(2019年5月末日付)


▼4月末日、包丁で左人差し指の先をサクっと切り急患で縫うこと2針。ズキズキ。


▼指先に絆創膏したままガレシャン『外苑前の客人』南青山@マンダラ。ゲストGt:橘高文彦さん素晴らし!鋼鉄魂。


▼ブルガリアフェア@市川市文化会館。お話,ダンス,タンブーラ:石坂さん+ガドゥルカ:ダンチョ+タパン:メンスールさん+B:アリさん+佐藤。物販コーナーでラキア購入。


▼7/14のコンサートに向けた撮影。まずは写真家 佐藤倫子先生と、そして山岸伸先生と。プロの仕事。

▼↑終了後、「マチ式」(Per:なべちゃん+G:

ファルコン+Acc:佐藤)+ゲストVo:伊藤大輔さん、下北沢@ラウン。ようやく共演叶った伊藤さんに触発された僕ら、いやぁ、ホントに良いライブだった。


▼某打ち合わせ。若くプロフェッショナルな方に会えて嬉。

▼Cello:新倉さんと市ヶ谷ルーテルにて会場リハ。当日の対策諸々、そして映像と写真のカメラ多数。


▼昨年末に撮影した大河ドラマ放映、しかしオトナの事情でほぼカット。むしろ思い出に残る。

▼ガレシャン夏ツアーに向けた新曲完成。

▼佐藤鈴木田中+上運天さんリハ。難曲ばかりw。

▼ソロツアー初日、大阪@絵本カフェホロホロ。いつもながら同店山本さん南條さんのホスピタリティに感激。満員御礼。Acc:都丸くん客席に。


▼アコーディオンクリニック、個人診療。充実した時間。


▼↑終了後、ソロツアー2日目、岡山@城下公会堂。コチラも同店ヒロポンさんの細やかなお気遣いに感激。

▼アコーディオンクリニック、個人診療。60分あっという間。


▼↑終了後、ソロツアー3日目、高知@中町バー。満員御礼。主催の志麻さんとも2曲共演。じっくり聴いて頂き感謝。打ち上げも楽しく。


▼広島へ。ヲルガン座へご挨拶。


▼↑終了後、ソロツアー4日目、広島@Lush Life。大盛況。Sax:あにやんとデュオで2曲ご一緒させて頂き最高の時間。同店りえさんにも感謝。


▼WHYジャズ楽団、豊橋@ぷらっと。Ds:森山さん、A.Sax:本多俊之さん(お久しぶりでした)、Vo:丸山繁雄さん、A.Sax:ファイアーさんという豪華ゲストに混じって参加。楽しく。

▼名古屋へ。「ロジウラのマタハリ」さんへご挨拶&ランチ。


▼↑終了後ソロツアー最終日、笠松@tamako。リハ時にササっと曲が出来て早速お披露目。題して『北向きの窓』。お陰様で楽しいソロツアーでした。各地支えて下さった皆様に感謝。


▼帰京してすぐVln:会田さんBirthdayライブ、南青山@マンダラ。Pf:三枝くん+G:鬼怒さん+B:木村くん+Per:岡部さん、皆さん素晴らし。


▼切って縫った左人差し指、抜糸。でもまだちょいと痛みアリ。


▼↑終了後、「佐藤鈴木田中+上運天」雑司ヶ谷エルチョクロ。上運天さんのSaxの音色素晴らし。書下ろし(!)の新曲含め大変楽しく。


▼G:大柴くん+B:西嶋さん+佐藤、リハ。


▼↑終了後、Pf:田中さんとデュオ、関内@ジャズイズ。いやぁ、田中さん素晴らし。


▼CM録りでスタジオへ。3回弾いて終了、実働5分。


▼撮影。某公園、期せずして炎天下。


▼Cello:新倉さんとデュオ、市ヶ谷@ルーテルホール。満員御礼。主催のパソナ社会貢献委員の皆様&各部署サポートして下さった皆様に感謝。


▼部分調律と、紛失したネジを都合して頂くべく某所へ。ネジ穴の対処法など流石プロの仕事。


▼ワイヤレスやらマイクやら設備投資という名の機材リニューアル。実践用に各箇所カスタマイズ。


▼Ds:森山さん+マネージャー:藤森さん+Per:相川瞳ちゃん+佐藤、7月ツアーの作戦会議。


▼G:大柴くん+B:西嶋さん+佐藤、四谷三丁目@ホメリ。貫禄出てきた。

閲覧数:192回0件のコメント
bottom of page